「未経験」は3つに分けて考える
「未経験から量子の仕事に就けるか」は、何が未経験なのかを分けないと答えが出ません。募集要項の条件の欄を読むと、未経験の意味は大きく3つに分かれます。
| 未経験のタイプ | 意味 | 募集要項で確かめられること |
|---|---|---|
| 量子が未経験 | ソフトウェア・回路・光学などの経験はあるが、量子の研究や開発の経験がない | 必須の欄に量子の語が出ない技術系の求人がある(次の節で数えます) |
| 技術職が未経験 | 学生や、これから技術職に就く人 | インターンと、学位の取得見込みを認める公募がある(後の節) |
| 研究が未経験 | 博士号がない、または博士課程の途中 | 研究職では、必須の欄に博士号の語を挙げる募集がある(件数は博士号の節)。ただし、博士号の取得見込みや、取得を目指す人を認める公募もある(博士号の節) |
なお、この記事は転職できるかどうかを約束しません。募集には枠があり、条件を満たしても採用されるとは限りません。ここでは、募集要項に書かれた条件と、主催者が公表している学び方の情報を並べます。
量子コンピューターそのものを先に知りたい人は量子コンピューターとは、仕事の種類は量子の仕事と職種をご覧ください。
必須の条件に量子の経験を求めない募集
2026年11月5日時点で当サイトに掲載中の求人のうち、ハードウェア・ソフトウェア・研究の求人で、必須・歓迎の条件の欄があるもの(インターンを除く)は54件です。その54件のうち、必須の欄に「量子」の語(quantum、qubit、誤り訂正の略語を含む)が出てこない求人は29件でした。会社・機関ごとの内訳は次のとおりです。
| 会社・機関 | 技術系の求人(条件の欄あり) | 必須の欄に量子の語が出ない求人 |
|---|---|---|
| 理化学研究所 量子コンピュータ研究センター | 11件 | 7件 |
| 情報通信研究機構(NICT) | 8件 | 0件 |
| QunaSys | 6件 | 2件 |
| Yaqumo | 6件 | 4件 |
| LQUOM | 6件 | 6件 |
| Qubitcore | 6件 | 3件 |
| QuEL | 3件 | 2件 |
| Nanofiber Quantum Technologies | 3件 | 0件 |
| Quanmatic | 2件 | 2件 |
| Quantinuum | 1件 | 1件 |
| NEC | 1件 | 1件 |
| 産業技術総合研究所 G-QuAT | 1件 | 1件 |
| 合計 | 54件 | 29件 |
2026年11月5日時点で量子ジョブに掲載中の求人の集計(各社の公式の採用ページから取得)。業界全体の統計ではありません。
この数字の読み方には注意が必要です。「条件の欄に量子の語がない」ことは、「量子の知識が要らない」ことではありません。仕事の内容に書かれている場合があり、入社後に学ぶ前提かどうかは募集要項からは分かりません。また、条件の欄が書かれていない求人(Jij、OIST、Quemix など)は、この表に入っていません。
具体的な募集の条件を挙げます。いずれも、掲載中の求人の募集要項の文面です。
- QunaSys の大規模言語モデル(LLM)ソフトウェアエンジニア(求人ページ)の必須条件は、Linux の基本操作、データベースの設計・運用経験、Git の基本操作、IT の基礎知識で、量子の語は出てきません。仕事の内容は、材料開発の研究用ツールのソフトウェア開発です。
- QuEL のソフトウェアエンジニア(求人ページ)の必須条件は、古典コンピューター(いまの普通のコンピューター)でのプロダクトコード(Verilog、modern C++、Python3 など)の開発経験です。
- QuEL のハードウェアエンジニア(求人ページ)の必須条件は、FPGA やマイコンなどの組み込み系と、D/A 変換などの信号処理系の開発経験で、Qiskit・OpenQASM の利用経験は歓迎の条件に置かれています。
- Quanmatic のソフトウェア・フルスタックエンジニア(求人ページ)の必須条件は、ソフトウェア開発経験3年以上、Python/JavaScript/TypeScript、クラウドと Git の経験で、数理最適化の基礎知識は歓迎の条件です。
- Yaqumo の光学機構設計エンジニア(求人ページ)の必須条件は、すべてを満たす前提で、機械設計の実務経験3年以上、CAD、精密機械の加工・組立・調整の経験、光学系や精密計測機器などの高精度システムの機構設計経験です。光学の基礎知識は求めますが、光学エンジニアとしての設計経験は問わないと書いています。
- LQUOM の光学・レーザーエンジニア(求人ページ)は、題名に「レーザー・光学の経験を量子技術へ」とあり、条件はレーザー・光源・光学系などのいずれかの実務経験です。量子光学の知識・経験は歓迎の条件です。
- 理研の光量子計算研究チームの特別研究員またはリサーチアソシエイト(求人ページ)は、博士号の取得者、取得見込み、取得を目指す人を対象に、量子光学・量子情報分野での経験は不問と書いています。
- NICT の量子鍵配送の有期研究員(求人ページ)は、量子分野の実績は必須でないが高い意欲が必要と書いています。
- QunaSys の化学のリサーチャー(求人ページ)は、「量子計算の基礎的な知識、あるいはそれに対する学習意欲」を必須の条件に挙げています。
これらは、量子以外の経験を生かす入口の例です。条件の書き方は会社で違い、「必須」「歓迎」の欄に何を書くかも会社が決めています。どの求人も応募の前に、公式の募集要項で最新の条件を確かめてください。
一方で、年数の条件もあります。技術系の求人の条件の欄に「3年以上」のような年数の表記があるのは、54件のうち6件です。年数を書かなくても、「〜の経験」「〜の実績」を求める条件は33件にありました。技術職が未経験の人が応募できる入口として確かめられたのは、後の節のインターンと、学位の取得見込みや取得を目指す人を認める公募などです。求められる経験の中身(ソフトウェア、組み込み、光学、機械設計)は、求人ごとに異なります。量子コンピューターの方式の違いでは、方式ごとに募集要項に出てくる技能を数えています。
博士号を求める募集はどのくらいあるか
研究職を目指す人にとって、博士号は大きな条件です。必須・歓迎の条件の欄がある86件(インターンを除く)について、「博士」「PhD」の語が出てくるかを数えました。必須の欄に出るのは23件、歓迎の欄だけに出るのは7件、どちらにも出ないのは56件です。
募集の主体で分けると、次のとおりです。
| 募集の主体 | 条件の欄がある求人 | 必須の欄に博士号の語 | 歓迎の欄だけ | 博士号の語なし |
|---|---|---|---|---|
| 研究機関の公募 | 22件 | 16件(73%) | 0件 | 6件 |
| 会社の求人 | 64件 | 7件(11%) | 7件 | 50件 |
2026年11月5日時点で量子ジョブに掲載中の求人の集計(各社の公式の採用ページから取得)。業界全体の統計ではありません。
研究機関の公募では、条件の欄がある22件のうち16件が必須の欄に博士号の語を挙げています。会社の求人では、条件の欄がある64件のうち7件です。職種で分けると、次のとおりです。
| 職種 | 条件の欄がある求人 | 必須の欄に博士号の語 | 歓迎の欄だけ | 博士号の語なし |
|---|---|---|---|---|
| 量子ハードウェア・装置 | 18件 | 5件(28%) | 0件 | 13件 |
| 量子ソフト・アルゴリズム開発 | 8件 | 0件(0%) | 0件 | 8件 |
| 研究職(理論・基礎・研究開発) | 28件 | 18件(64%) | 5件 | 5件 |
| 事業開発・営業・PM | 17件 | 0件(0%) | 2件 | 15件 |
| コーポレート | 15件 | 0件(0%) | 0件 | 15件 |
2026年11月5日時点で量子ジョブに掲載中の求人の集計(各社の公式の採用ページから取得)。業界全体の統計ではありません。
数え方の注意があります。「博士号を取得した方、もしくは採用日までに博士号取得見込みの方」のように、取得見込みを認める公募も、博士号の語が出る求人に含めています。「PhD または同等の実務経験」のように、博士号と同等の経験を認める求人も含めています。したがって、「博士号がないと応募できない求人の数」ではなく、「博士号の語が条件に出てくる求人の数」です。
条件の例を挙げます。
- 理研のナノフォトニック共振器量子電気力学研究チームの研究員の公募(求人ページ)は、博士号を取得した方、または採用日までに取得見込みの方を条件にしています。
- 同じチームのテクニカルスタッフの公募(求人ページ)は、実験物理学分野の研究で修士号を取得した方、または採用日までに修士号取得見込みの方を条件にしています。
- Yaqumo の量子実験物理研究者(求人ページ)は、実験物理(AMO 物理・量子光学・精密計測など)の PhD、または同等の実務経験を条件にしています。
- Quantinuum の日本勤務のハードウェア・オペレーション・エンジニア(求人ページ)は、博士号(Ph.D.)を最低限の条件にしています。
必須の欄に博士号の語が出る件数は、上の職種の表のとおり、職種によって大きく違います。応募したい求人の条件は、求人ごとに確かめてください。
量子コンピューターの求人をチェック
求人一覧を見る学ぶ順: 公的・大学・各社の教材と窓口
量子の仕事に近づくために、何をどの順番で学ぶかは、公式が一つに決めているわけではありません。次の順番は編集部の整理で、主催者の公式の説明で確かめたものを並べています(確認日は2026年11月3日)。費用や申込みの条件は変わることがあるので、必ず主催者の公式で最新を確かめてください。
| 段階 | 何を学ぶか | 公式に確かめた教材・窓口 |
|---|---|---|
| 1. 全体像 | 量子コンピューターとは何か、方式の違い | 産総研マガジン、当サイトの解説記事(量子コンピューターとは、仕組み、方式の違い) |
| 2. 土台 | 複素数、微積分、行列とベクトル、Python と NumPy | Quantum Native Dojo が、前提知識として数学の3つを挙げ、Python・NumPy に不安がある人には先に別の入門教材を勧めている |
| 3. 量子情報の基礎 | 量子ビット、量子アルゴリズムの入門 | Quantum Native Dojo(QunaSys 運営)、IBM Quantum Learning |
| 4. SDK で手を動かす | 量子回路を書いて動かす | Qiskit の公式ドキュメント、OptQC の SDK(無償提供の予定) |
| 5. 仕事に合わせて絞る | ハードウェア・ソフトウェア・最適化など | 募集要項の条件の語(上の節)、JQCA の講座 |
| 6. 大学・研究機関のプログラム | 実機や研究に触れる | 大阪大学 QIQB のプログラム |
土台と基礎: Quantum Native Dojo と IBM Quantum Learning
Quantum Native Dojo は、量子コンピューターを初歩から学びたい人のための自習教材です。株式会社 QunaSys が運営し、基本原理、基礎アルゴリズム、化学計算や金融計算への応用、量子誤り訂正までを扱います。すべてが Jupyter notebook で作られ、Google Colaboratory 上でそのまま実行できます。公式のページは、前提知識として、複素数、簡単な関数(sin・cos・exp など)の微積分、行列とベクトルの掛け算と対角化を挙げ、これらや Python・NumPy の使い方に不安がある人は、先に Chainer Tutorial を学ぶよう勧めています(Quantum Native Dojo)。QunaSys の2026年の発表によると、元の Web 版はオープンソースの学習教材として公開され、2026年4月13日に講談社から書籍版が出ています(QunaSys の発表)。Web 版を無料で使えるかどうかは、確認した範囲のページには明記がなかったので、ここでは言いません。
IBM Quantum Learning は、IBM の公式の学習サイトです。「Basics of Quantum Information」「Use a quantum computer today」などのコース、量子入門・最適化・データサイエンス・物理化学・量子アルゴリズム開発などの学習パスを載せています。IBM のドキュメントは、学習の項目に、コースや授業向けモジュールなどの無償の学習コンテンツがあると説明しています(IBM Quantum Learning、Qiskit のドキュメント)。
ここで学ぶ内容は、募集要項の条件とつながります。たとえば QuEL のハードウェアエンジニアの歓迎条件には Qiskit・OpenQASM の利用経験があり、Quanmatic の数理最適化エンジニアの必須条件は、組合せ最適化問題とその解法(整数計画・メタヒューリスティクス等)の基礎知識と、Python/C++ でのアルゴリズムの実装経験です。
SDK で手を動かす: Qiskit と OptQC の SDK
Qiskit は、IBM が公式のドキュメントで「量子研究や開発のための拡張可能なフレームワーク」と説明しているソフトウェアで、ドキュメントは、使い方のガイド、用途別のチュートリアル、API リファレンスを含むと説明しています。チュートリアルの項目は、一般的な量子コンピューティングの用途に対して、Qiskit を使ったエンドツーエンドの例を示すと説明されています。はじめの「Quickstart」は、サインインや API キーなしで、2分以内に量子回路を作れると書いています。
OptQC は、光量子コンピューターの1号機「MoQuren」の稼働を2026年7月21日に発表した際、シミュレーション機能を同梱した開発者向け実行環境(SDK)を無償で提供する予定だと説明しています。実機にアクセスしなくても、手元の PC で量子アルゴリズムの論理動作を確かめられ、ドキュメントとブラウザ上で動くサンプルコードは、専用のサービスサイトで順次公開される予定です。企業や研究機関向けの実機計算サービスは準備段階で、開始時期は示されていません(OptQC の発表)。公開の時期は確かめられていないので、使えるようになったかは公式のサイトで確認してください。
大学のプログラム: 大阪大学 QIQB
大阪大学の量子情報・量子生命研究センター(QIQB)は「ハイレベル量子人材育成プログラム」を設けています。公式のページによると、2つのコースがあります。
- 量子システムソフトウェアエンジニア育成コース。量子コンピューターを動作させるためのシステム領域(システムソフトウェア・ミドルウェア)を学ぶ9か月のコースです。到達目標に、超伝導量子コンピューターの動作の根底を支える量子ビット制御技術の深い理解を挙げています。
- 量子コンピュータ技術エキスパート養成コース(旧・量子ソフトウェア勉強会)。量子計算の基礎から、量子科学計算、量子機械学習、金融などの応用までの高度な専門技術を学ぶ9か月のコースです。公式のページは、これまでの5年間で、延べ780名以上が参加したと書いています。
公式のページに書かれた受講費用は、1名あたり330,000円(税込)で、学生は無料です(コースにより条件が異なる)。応募締切は「2026年5月22日(金)正午まで」と書かれており、確認日(2026年11月3日)には過ぎています。次回の募集の時期は、確かめられませんでした。
養成コースのページ(問い合わせ先は大阪大学 QIQB 企画室)によると、2026年度は、基礎のe-learning、2026年5月29日から9月4日までのライブ講義(全8回)、9月後半から翌年1月ごろまでのグループワークという構成でした。企業・一般の受講は、企業単位の申込み(コンソーシアム加入)が必要で、1人あたり33万円です。学生は大学2年生以上を推奨し、線形代数の十分な理解と Python のプログラミング経験が求められ、選考があります。年度の途中から参加できるとも書かれていますが、いま申し込めるかは、主催者に確かめるしかありません(QIQB のプログラム、養成コースのページ)。
国の動きとして、文部科学省は2026年1月の資料で、量子技術分野の人材育成の在り方を検討課題に挙げ、量子教育の現状と課題を取り上げています。NEDO は、2026年度から2028年度の量子コンピューター次世代機の事業の中に、人材育成(そだてる)を置いています。国の戦略は令和8年度に統合・見直しが予定されていて、人材育成の施策も変わる可能性があります(文部科学省の資料、NEDO の公募ページ)。
資格: 量子ジェネラリストと IBM の Qiskit 認定
量子コンピューターの資格は、大きく2系統あります。日本量子コンピューティング協会(JQCA)の資格と、IBM の Qiskit 開発者認定です。受験料や形式は、主催者の公式の表記を、確認日(2026年11月3日)の時点でそのまま書きます。変わることがあるので、申し込む前に公式の最新を確かめてください。
日本量子コンピューティング協会(JQCA)の資格
JQCA は、量子コンピューティングに関する知識を持って事業に活用する人材(ジェネラリスト)と、量子コンピューティングを実装する人材(エンジニア)の育成を目指すと説明しています。協会が資格試験を行い、認定した事業者が各種講座でトレーニングを提供します。資格認定用の講座は4種類です。
| 講座・資格 | 公式の説明 |
|---|---|
| 量子ジェネラリスト | 量子コンピューティングの基礎知識を学び、ビジネスや研究に応用する |
| 量子エンジニア(アニーリング式) | 量子アニーリング(エンジニアリング)の知識を学ぶ。エントリーコースとアドバンスコースがある |
| 量子エンジニア(ゲート式) | 量子ゲート(エンジニアリング)の基礎知識を学ぶ。エントリーコースとアドバンスコースがある |
| 量子エンジニア(量子暗号通信) | QKD の原理、BB84 プロトコル、量子乱数生成、耐量子暗号の概要などを学ぶ。エントリーコースとアドバンスコースがある |
検定の受け方は、公式のページに次のように書かれています。
- Connpass で、検定の実施期間を確認する。
- 実施期間中に、量子・AI の動画プラットフォーム QAI-Zen で、検定受験用の動画コンテンツを購入する。購入すると受験できる。
- 動画を視聴して受験方法を確認し、検定問題をダウンロードする。
- 試験の実施期間内に、問題に回答して提出する。期限を過ぎた提出は無効。
検定料は、個人受験9,800円、学生受験5,000円(学生証など在学証明書の提出が必要な場合がある)で、資格認定書の発行料を含みます。5人以上の団体受験には割引があります。別に、任意の有料の試験対策講座があり、量子ジェネラリストは4時間(オンライン)で19,800円、各エンジニア区分は6時間(オンライン)で29,800円と書かれています。さらに、東陽テクニカの支援による、学生・教員向けの無料の受験プログラムがあり、量子ジェネラリスト検定と量子エンジニア検定を、お一人様最大2回まで、先着200名様限定で、無料で受験できると書かれています(通常9,800円)。このプログラムの枠が残っているかは、確かめられませんでした(JQCA 資格/認定講座)。
IBM の Qiskit 開発者認定
IBM は2025年9月10日公開のブログで、「IBM Certified Quantum Computation using Qiskit v2.X Developer - Associate」の認定を案内しています。IBM のブログによると、試験は68問を90分で解くライブ形式で、47問以上の正解が合格の条件です。Pearson VUE が実施し、認定試験会場での受験か、OnVUE による自宅受験を選べます。出題範囲は、量子操作の実行、量子回路・測定・状態の可視化、量子回路の作成と実行、Sampler primitive と Estimator primitive の利用、結果の取得と分析、OpenQASM 3 の操作の8分野です。
受験料は、ブログによると所在地によって異なり、1回あたり最大200ドルです。任意の模擬試験は30ドルです。旧版の Qiskit v0.2X の認定は2025年9月30日に廃止されましたが、取得済みの認定は失効しないと書かれています(IBM のブログ)。
資格と採用の関係は、確かめられませんでした
資格が採用で有利になるかは、この記事では言いません。確かめられた範囲を書きます。
- 当サイトの掲載中の求人の必須・歓迎の条件に、量子ジェネラリスト・JQCA・IBM の認定などの量子の資格名が書かれた求人は、0件でした(確認日時点)。
- JQCA の公式のページは、資格の内容と受け方を説明し、資格認定証を資格取得の証明などに使えると書いていますが、採用で有利になるとは書いていません。
- IBM のブログは、IBM 社内の採用担当者が Qiskit の認定を、応募者を目立たせる望ましい資格だと見ている、と書いています。これは IBM 自身の説明で、ほかの会社の採用でどう扱われるかは確かめられませんでした。
資格は、学ぶ範囲を決めて、理解を確かめる手段として使えます。募集要項の条件との関係は、求人ごとに違うので、応募する会社の募集要項を読んで判断してください。
インターン: 掲載中の募集
当サイトに掲載中のインターンは8件です。インターンの給与は年収の集計に入れていません。条件の欄がない求人が4件あるので、応募の資格は公式の募集要項で確かめる必要があります。
| 求人 | 会社 | 勤務地 | 給与 |
|---|---|---|---|
| Research Scientistと共に研究を進めていただけるインターン募集! | QunaSys | 東京都文京区 | 公表なし |
| 【Internship】Quantum Algorithm Researcher | Jij | 東京都港区 | 公表なし |
| 【Internship】Quantum Computing Software Engineer | Jij | 東京都港区 | 公表なし |
| 【Internship】Quantumプリセールス/事業開発サポート | Jij | 東京都港区 | 公表なし |
| Student Intern (Quantum) | Qubitcore | 沖縄県(OIST との連携) | 公表なし |
| Research Intern (Hardware) | Nanofiber Quantum Technologies | 東京都新宿区(早稲田) | 公表なし |
| Research Intern (Theory) | Nanofiber Quantum Technologies | 東京都新宿区(早稲田) | 公表なし |
| インターンシップ・リサーチアルバイト(インターン・アルバイト) | Quemix | 公表なし |
2026年11月5日時点で量子ジョブに掲載中の求人の集計(各社の公式の採用ページから取得)。業界全体の統計ではありません。年収は募集要項の想定の幅で、固定残業代を含む場合があります。
条件の例を挙げます。
- Nanofiber Quantum Technologies のハードウェアのリサーチインターン(求人ページ)は、修士または博士課程の学生を条件にしています。
- 同社の理論のリサーチインターン(求人ページ)は、修士または博士課程の学生で、物理・数学・計算機科学・工学などの背景と、量子計算・量子通信の基礎的な理解を条件にしています。
- QunaSys のインターン(求人ページ)は、量子情報科学・化学・物理学のいずれかの専門的な知識と、Python などで研究のアイデアを検証するコーディングの能力を条件にしています。
- Qubitcore の学生インターン(求人ページ)の専門領域には、ソフトウェア開発、ハードウェア統合の制御ソフトウェア、FPGA・RFSoC が並びます。
Jij のアルゴリズムリサーチャーのインターン(求人ページ)は、条件の欄が空ですが、募集の文章が、アルゴリズム研究に取り組みたい修士・博士課程の学生を対象にしています。学生を対象にすると書かれたインターンがあるので、学生でない人が応募できるかは、公式の募集要項で確かめてください。学生向けには、JQCA の学生受験料や、QIQB の学生の受講無料など、学生向けの条件を用意した学びの入口もあります(前の節)。
募集要項を読むときの確かめ方
- 必須の欄と歓迎の欄を分けて読む。QunaSys の化学のリサーチャーの募集は、歓迎の欄の冒頭で、すべての能力・経験を持っている必要はないと書いています。会社によって、必須と歓迎の書き方は違います。
- 年数と「実務経験」の語を見る。「3年以上」のような年数を条件にした求人があります(技術系で6件)。年数の書き方で、学生向けか、経験者向けかが分かれます。
- 仕事の内容と条件のずれを見る。仕事の内容に量子の語が多くても、必須の条件が量子以外の経験である求人があります。逆の求人もあります。
- 公募の契約期間と締切を見る。研究機関の公募の多くは任期付きです。締切が「候補者決定次第」の求人は、決まり次第終わります。
- 言語を見る。募集要項が英語の求人や、日本語は必須でない求人もあります。条件の欄の「英語」の語の有無は、求人ごとに確かめてください。
求人は、ソフトウェア・ハードウェア・研究・事業開発・営業・PM・コーポレートの一覧から探せます。会社の説明は、QunaSys、QuEL、Yaqumo、理化学研究所 のページにあります。年収は量子の仕事の年収、会社の一覧は量子に取り組む会社で説明しています。
出典
確認日はすべて2026年11月3日です。受験料・費用・日程は主催者の表記で、変わることがあります。
- 日本量子コンピューティング協会(JQCA)資格/認定講座
- IBM Quantum ブログ「Qiskit v2.X developer certification」(2025年9月10日)
- Quantum Native Dojo(QunaSys 運営)、QunaSys「Quantum Native Dojo! 書籍化」の発表(2026年4月)
- IBM Quantum Learning、Qiskit ドキュメント
- 大阪大学 QIQB ハイレベル量子人材育成プログラム、量子コンピュータ技術エキスパート養成コース
- OptQC・産総研「光量子コンピュータ1号機 MoQuren の稼働開始」(2026年7月21日・OptQC の発表)
- 文部科学省「量子技術に関する政策動向について」(2026年1月)
- NEDO 量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速(2026年7月の採択結果)
- 産総研マガジン「光量子コンピューターとは?」(2026年6月17日)
- 各社・各機関の公式の採用ページ(募集要項。当サイトの会社ページに一覧)


